財務、経理、会計と聞くと、どれもお金に関わる仕事のように感じます。同じものと思われがちですが、それぞれに違いがあります。
財務、経理、会計と聞くと、どれもお金に関わる仕事のように感じます。同じものと思われがちですが、それぞれに違いがあります。
財務の仕事内容とは?
資金繰り
財務の主な業務の一つに資金繰りがあります。資金繰りとは、支払予定のお金と売上として入るお金のタイミングを考慮して、現金の流れを管理することを指します。売上がいくら多くても、手元にある現金が少ないと支払いが滞る恐れがあります。それによって会社の信用を失う可能性もあります。帳簿上は黒字でも、支払いができずに倒産することもあるのです。これを防ぐために、売掛金の早期回収や買掛金の支払い延期を交渉するのが資金繰りの役目です。さらに、在庫処分や仕入れ調整、人件費削減のための残業抑制などの策も検討します。また、必要に応じて金融機関からの借り入れを行うこともあります。
予算管理
財務の仕事には予算管理も含まれます。予算管理とは、まず事業運営に必要な経費を算出し、売上を予測して計画を立てることです。それから過去の実績や現状を細かく分析し、これを基に今後の戦略を立てます。これらの活動全体が予算管理です。なぜ予算管理が必要なのかというと、資金のショートを防ぐためです。月ごとの売上が一定であれば心配はありませんが、ほとんどの企業では売上が変動します。そのため、手持ちのキャッシュが多い時期もあれば少ない時期もあるのです。キャッシュが少ないと経費の支払いができず、資金がショートして営業活動が停止してしまいます。予算管理によって、支払いが滞らないように事前に借り入れなどを行うことが可能になります。
資金調達
財務の業務には資金調達も含まれています。日々の営業活動には運転資金が必要であり、新たな事業を始める際にはさらに大きな資金が求められます。事業を進めるために必要な資金を調達するのが財務の役割です。これにより、経営を円滑に進めることができます。具体的な資金調達の方法には、銀行や信用金庫などの金融機関からの融資、助成金や補助金の利用、投資家からの支援を受けるベンチャーキャピタルなどがあります。金融機関には、メガバンクや地方銀行、信用金庫・信用組合などの規模が異なる機関があり、自社に合ったものを選ぶことが重要です。また、中小企業であれば、日本政策金融公庫からの融資を受けられる場合もあります。
経理の仕事内容とは?
経理の日常業務
経理の主な日常業務には、出納管理、経費精算、伝票起票、経理システムへの入力、受発注および在庫管理、取引先登録や与信業務などがあります。出納管理とは、現金や預金の入出金を管理することです。経費精算は、社員が営業活動で使った費用の支払いを行う業務です。出張費や交通費、取引先への手土産代なども経費に含まれます。伝票起票とは、会社が行った取引の伝票を作成することを指します。また、多くの会社では経理システムを導入しており、様々なデータを入力し一括で管理します。受発注や在庫管理では、必要な物を仕入れたり、その数量を調整したりします。与信業務は、取引先の信頼性を評価する業務です。
経理の月次業務
経理の月次業務には、取引先への請求や支払い、給与計算、源泉税や住民税の計算、月次決算の作成などがあります。請求書の発行、代金受取後の領収書発行も含まれます。会社によっては、営業スタッフが請求書や領収書の発行を担当する場合もあります。給与計算は社員の勤怠データを基に行い、残業や有給休暇の取得状況も確認します。会社によっては、人事部が給与計算を担当することもありますが、出納管理は経理が行います。月次決算は、月ごとの財務状況をまとめたもので、企業活動に伴うお金の動きを記録し、決算書にまとめます。
経理の年次業務
経理の年次業務には、年次決算や連結決算の作成が含まれます。年次決算書は、1年間の営業活動を総括し、その年の利益や財務状況を把握するために役立ちます。棚卸や減価償却費の計算も行われます。年次決算では、会社の資金や負債の状況を確認しながら、残高や利益を計算します。データ量が膨大であるため、1年の中で最も重要な業務と言えるでしょう。年次決算を基に、経営者は経営戦略や資金計画を立てます。また、外部の関係者もこの決算書を基に、その企業への投資や取引を決定するため、企業にとって非常に重要な資料となります。
会計の仕事内容とは?
財務会計
会計の仕事の一つに財務会計があります。これは決算書などの会計情報を外部に公表することを目的とする会計業務です。公的なルールに基づいて、様々な金銭の流れをまとめて決算書を作成します。決算書の元となる金銭の流れには、伝票起票、帳簿記帳、請求、支払い、税金申告などがあります。会計には管理会計も含まれますが、管理会計との違いは、ステークホルダー(利害関係者)に対して情報を提供することを目的としている点です。企業の経営成績を示し、利害を調整してもらうために使用されます。銀行など金融機関との交渉や、資金管理の資料としても利用されるため、公的なルールに従う必要があります。
管理会計
会計には管理会計もあり、これは社内で自社の状況を共有するために行われる会計業務です。売上管理、コスト管理、利益管理などを行い、現状の分析に役立ちます。管理会計は、部署ごとに行われ、その部署の従業員が会計に関与することも多くあります。日々の営業活動のデータを記録し、決算書にまとめます。財務会計とは異なり、管理会計は自社の経営者や内部管理者への報告が目的です。そのため、公的なルールに基づく必要はなく、企業が独自に定めたルールを適用することが可能です。
まとめ
会計は企業の資金管理全般を担当する仕事です。一方、経理は金銭に関する情報を集めて報告書などにまとめ、経営者に報告する役割を担っています。財務の仕事は、様々な会計情報を基に企業の資金計画を立て、資金を調達することです。会計でまとめられた数字が経理に渡され、それを基に決算書が作成され、財務部門に引き継がれる流れです。それぞれの業務には違いがありますが、これらが連携することで企業の経営に貢献できます。
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