YouTuberも個人事業としての収益がある場合、確定申告が必要です。この記事では、YouTuberが確定申告を行うべき金額や方法、確定申告を行わなかった場合にどのような結果になるかについて解説します。
YouTuberの確定申告が必要な金額とは?3つの状況を解説
YouTuberが収益を上げるようになると、一定の収入を超えた時点で確定申告が必要となります。以下の3つの状況に応じて、それぞれのケースでどの程度の収益で申告が必要かを見ていきます。
YouTuberを個人事業主として本業で行っている場合
本業としてYouTuber活動を行っている場合、その収益は事業所得として扱われます。確定申告が必要になるのは、基礎控除額である48万円を超える収益が発生した場合です。収入が増えるに従い、控除額が徐々に減っていく仕組みになっています。YouTuberの収益源はさまざまですが、以下の2つは確定申告が必要な主な収入源です。
- 広告収入
- 企業とのタイアップ収入
YouTuberを副業で行っている場合
会社員が副業としてYouTuber活動をしている場合、年間の収益が20万円を超えると確定申告が必要です。これらの収入は雑所得に分類され、アルバイト収入と同じ扱いになります。年末調整でカバーできないため、申告漏れがないよう注意する必要があります。
学生がYouTuberとして活動している場合
学生がYouTuberとして活動している場合、確定申告が必要な条件は以下の通りです。
- アルバイトをしておらず、YouTube収入が48万円を超える場合
- アルバイトをしていて、YouTube収入が20万円を超える場合
アルバイトをしていない場合は、48万円を超えると本業扱いとして確定申告が必要になります。一方、アルバイトをしている場合、YouTubeの収益が20万円を超えると雑所得として申告が必要です。また、アルバイトとYouTubeの収入を合算して48万円を超える場合、親の扶養から外れ、税金が発生する可能性があります。
YouTuberが確定申告を行うまでの手順
YouTuberが確定申告を行うためには、以下のステップを順に進めていきます。
- 帳簿の作成
- 決算書の作成
- 確定申告書の作成
- 必要書類の提出 それぞれの段階を詳細に解説します。
帳簿を作成する
確定申告の際には、年間の収入と支出を整理するために帳簿を作成します。定期的に帳簿をつけることが、確定申告をスムーズに行うコツです。確定申告直前にまとめて帳簿を作成するのは時間がかかるため、日々の記録を習慣づけることが重要です。
決算書を作成する
帳簿を作成したら、次に決算書を作成します。確定申告を青色申告で行うか白色申告で行うかを決めましょう。青色申告では、損益計算書や貸借対照表を作成し、最大65万円の控除を受けることが可能です。白色申告では、簡易的な記載で決算書を作成しますが、控除はありません。どちらを選んでも、青色申告決算書または収支内訳書を作成する必要があります。
確定申告書を作成する
決算書の作成後、確定申告書を第一表と第二表を作成します。第一表では所得税の計算を行い、第二表には所得控除や住民税に関する情報を記載します。
必要書類を提出する
確定申告書と決算書が完成したら、以下の書類を揃えて提出します。
- 本人確認書類
- 収支内訳書または青色申告決算書
- 帳簿
- 確定申告書
これらの書類を郵送または税務署に持参して提出します。インターネットを使ったe-Taxでの申告も可能ですので、自宅から手続きしたい場合は便利な方法です。
YouTuberの確定申告で経費として認められるもの
YouTuberが活動する中で発生する費用の中には、経費として認められるものが多数あります。具体的には以下のものが挙げられます。
- 動画編集に使用するパソコン
- 動画撮影に使うカメラ
- 動画で着用する衣装
- 撮影現場までの交通費
これらの費用は、事業に必要な経費として計上できます。
業務に必要なパソコンやカメラなど
YouTuberとして収入を得るためには、パソコンやカメラといった機材が不可欠です。これらは、事業所得として申告する際に経費として計上可能です。一度きりの収入では事業所得には該当しませんが、継続的な活動で収益を上げている場合、事業所得として確定申告を行います。
YouTuberとして業務に必要な衣装や交通費
確定申告では、事業所得や雑所得のどちらでも、総収入から必要経費を差し引いた所得額が計算されます。動画制作に使用する衣装や交通費、通信費なども経費として認められ、節税効果を高めることが可能です。経費として計上できるものはすべて記載することをおすすめします。
確定申告を行わず税金を支払わなかった場合のリスク
確定申告をしなければ税務署に発覚しないのではないか、と考える人も少なくありません。
しかし、確定申告を怠ると、加算税や延滞税が課されるリスクがあります。
副業で収入が年間20万円以下の場合は確定申告の義務はありませんが、住民税の申告は必要です。住民税は住んでいる地域の役所で申告します。本業としてYouTuberをしている場合、収益が48万円を超えると確定申告を行わなければなりません。事業所得や雑所得に応じて、税金が発生することをしっかり理解しておきましょう。
加算税が発生する
申告期限を過ぎてしまった場合、「無申告加算税」が課せられます。以下の条件で税率が異なります。
- 申告期限後に税務署が調査を行った場合
- 申告期限を過ぎたものの税務署の調査前に申告を行った場合
例えば、税務署の調査後に申告を行うと、納付額が50万円未満の場合は15%、50万円を超える場合は50%の加算税が課せられます。税務署の調査前に申告した場合、加算税は5%に抑えられます。期限内に申告することが最も大切です。
延滞税が発生する
確定申告は行ったが納税期限を過ぎてしまった場合、延滞税が加算されます。延滞税の税率は以下の通りです。
- 納税期限の翌日から2ヶ月以内は7.3%
- 2ヶ月を超えた場合は14.6%
例えば、40万円の納税が90日間遅れた場合、延滞税の総額は以下の通りです。
- 400,000×7.3%×61日÷364日=4,893円
- 400,000×14.6%×29日÷364日=4,652円 結果として、9,545円の延滞税が追加されることになります。
まとめ
YouTuberとして収益を上げている場合、事業所得として48万円以上、または雑所得として20万円以上の収入がある場合、確定申告を行う義務があります。確定申告を怠った場合、延滞税や加算税が課される可能性があるため、注意が必要です。
ネットを活用したビジネスだからといって、税務署に目を付けられないとは限りません。確定申告を正確に行い、経費として認められるものを適切に計上することで、納税額を抑えることができます。確定申告自体はそれほど難しくなく、必要な手続きを正しく行うことで大きな負担にはならないでしょう。
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