ひとり親控除を徹底解説!対象者・寡婦控除との違い・手続き方法・注意点まで完全ガイド

税の基礎知識
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    ひとり親控除とは、未婚の母や未婚の父など、婚姻歴に関係なく扶養している子がいる場合に適用できる所得控除です。この控除により、所得税や住民税の税負担を軽減することが可能です。ひとり親控除を利用すると、所得金額から35万円を差し引くことができます。

    例えば、控除を受けた場合、税率10%の人であれば、所得税が約35,000円減額される計算になります。住民税についても、軽減効果があります。

    ひとり親控除の対象者

    以下の条件をすべて満たす場合に、ひとり親控除が適用されます:

    • 控除を受ける年の12月31日時点で婚姻をしていない、または配偶者の生死が不明。
    • 事実婚の関係にある人がいない。
    • 生計を一にする子がいる(別居していても該当する場合あり)。
    • 合計所得金額が500万円以下(給与所得のみの場合、年収678万円以下)。

    「生計を一にする」とは、生活費を共有していることを指します。別居している場合でも、生活費の一部を送金している場合などは、この要件を満たす可能性があります。また、副業の所得も合計所得金額に含まれるため、副業収入がある方は注意が必要です。

    ひとり親控除の適用要件

    ひとり親控除は、以下の手続きによって申請します:

    年末調整での申請(会社員の場合)

    会社員の方は、勤務先で行う年末調整の際にひとり親控除を申請できます。年末調整では以下の書類が必要です。

    • 扶養控除申告書(扶養親族や控除の適用状況を記入する書類)
    • 扶養する子どもの情報を記載した書類

    確定申告での申請(個人事業主・フリーランスの場合)

    個人事業主やフリーランスの方は、毎年行う確定申告でひとり親控除を申請します。また、会社員の方でも、年末調整後に条件を満たした場合には、確定申告で申請する必要があります。

    確定申告に必要な書類
    • 給与所得の源泉徴収票(給与所得者の場合)
    • 扶養控除等申告書
    • 還付を受けるための銀行口座情報

      ひとり親控除と寡婦控除は類似点が多いものの、適用対象や控除額などに違いがあります。これらの違いを正しく理解しておくことが大切です。

      対象者の違い

      • ひとり親控除:未婚の母や父も対象。男女問わず適用可能。
      • 寡婦控除:女性のみが対象で、離婚や死別後に再婚していない場合に適用。

      どちらも、事実上の婚姻関係にある人がいる場合は対象外です。

      控除額の違い

      • ひとり親控除:35万円
      • 寡婦控除:27万円

      控除は併用できませんが、条件を満たす場合は金額の大きいひとり親控除が適用されます。

      注意: 所得控除は課税所得を減らすもので、税額が直接控除額分減るわけではありません。たとえば、税率が10%の場合、ひとり親控除を適用すると所得税が約3万5,000円減少します。

      扶養要件の違い

      ひとり親控除:扶養する子どもが必要で、その子どもの年収は103万円以下(総所得金額48万円以下)である必要があります。

      寡婦控除:離婚した場合は、親族の扶養が要件になりますが、死別の場合は扶養の要件はありません。

      結婚歴の違い

      • ひとり親控除:結婚歴は不要。未婚の親も対象です。
      • 寡婦控除:結婚歴が必須。離婚や死別後に再婚していない女性が対象です。

        ひとり親控除は、未婚で子どもを扶養している方々にとって、所得税や住民税の負担を軽減するために重要な控除制度です。しかし、手続きが必要であるため、申請方法やタイミングについてしっかりと理解しておくことが大切です。この記事では、ひとり親控除を利用するための手続き方法や申請の際に注意すべき点について詳しく解説します。

        ひとり親控除の手続き方法

        ひとり親控除を適用するための手続きは、それほど複雑ではありませんが、適切なタイミングでの申請が重要です。以下の2つの方法で手続きを行います。

        1. 年末調整での申請
        2. 確定申告での申請

        年末調整での申請方法

        年末調整は、通常、給与所得者が税金の計算を一度に行う手続きです。ひとり親控除を申請する場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を使用します。この書類には、扶養している家族の情報(氏名、住所、収入など)を記載します。ひとり親控除を受ける場合は、該当する項目にチェックを入れるだけで、控除が適用されます。年末調整で手続きが完了するため、追加で確定申告を行う必要はありません。

        ただし、年内に再婚した場合や、年末調整をし忘れた場合には、確定申告が必要です。また、控除を受けるためには、子どもを扶養していることが条件となり、その子の年収が一定額以下であることを確認する必要があります。事前に子どもの年収を見積もり、記入漏れがないようにしましょう。

        確定申告での申請方法

        確定申告は、主に自営業者やフリーランス、または年末調整で条件に該当しなかった場合に必要となります。確定申告書に必要事項を記入し、ひとり親控除を申請します。確定申告書第一表の「所得から差し引かれる金額」の欄に「寡婦、ひとり親控除」の項目に35万円を記入します。また、確定申告書第二表の「本人に関する事項」の欄では、ひとり親に該当する場合、◯をつけて申告します。

        年末調整ができなかった場合や、自営業者の場合などは、この確定申告で手続きを行う必要があります。年末調整と同様に、ひとり親控除を受けるためには、条件を満たしていることが前提となります。

        ひとり親控除を適用する際は、特定のタイミングや家庭状況に応じて申告が必要となります。特に、申請条件を誤って適用しないよう、以下の点を確認しておくことが大切です。

        一年の途中でひとり親になった場合

        ひとり親控除は、控除を受ける年の12月31日時点で婚姻関係がないことが条件となります。たとえば、離婚した後に子どもを扶養している場合、年末時点で扶養していれば、ひとり親控除を受けることができます。このように、一年の途中でひとり親になった場合でも、控除を受けられる可能性があります。

        また、年末調整の手続きが間に合わない場合でも、確定申告で手続きが可能です。確定申告の期限に遅れないように注意しましょう。。

        養育費を受け取っている場合

        養育費を受け取っている場合、その養育費が子どもの扶養を支えていると見なされることがあります。養育費を元配偶者から受け取っている場合、子どもが元配偶者(父親)側の扶養家族とみなされ、ひとり親控除は受けられません。

        一方、養育費を元配偶者に支払っている場合、子どもは親(母親または父親)の扶養家族とみなされ、その親がひとり親控除を受けることができる場合があります。重要なのは、ひとり親控除が一方の親にしか適用されない点ですので、どちらが申告するかをしっかり確認しておきましょう。

        子供に収入がある場合

        ひとり親控除を受けるためには、子どもが扶養家族であることが要件となります。しかし、子どもに収入がある場合、控除を受けられない可能性があります。具体的には、子どもの総所得金額が48万円を超えると、その子どもは扶養家族として認められなくなり、結果としてひとり親控除を受けられなくなります。

        もし子どもがアルバイトをしている場合は、収入が年間103万円を超えると、総所得金額が48万円を超えるため、控除対象から外れる可能性があります。子どもの収入をしっかりと把握しておき、申告に支障がないようにしましょう。

        ひとり親控除を受けるための条件は以下の通りです:

        • 控除を受ける年の12月31日時点で婚姻をしていない、または配偶者の生死が不明
        • 事実婚の関係と同様の事情がある相手がいない
        • 生計を一にする子(総所得金額48万円以下)がいる
        • 合計所得金額が500万円(給与所得のみの場合年収678万円)以下

        これらの条件を満たしている場合、年末調整や確定申告で手続きが可能です。年末調整を行う場合は、勤務先に必要書類を提出し、適切に申請を行いましょう。もし手続きを忘れた場合でも、確定申告を行うことで控除を受けることができますので、申告期限を守ることが重要です。

        ひとり親控除は、税負担を軽減する大切な制度です。忘れずに申請手続きを行い、正しく控除を受けることで、経済的な負担を軽減しましょう。

        ひとり親控除は、税制改正などで変更がある場合がありますので、最新の税制情報についても確認しておくことが大切です。2024年度からは、ひとり親控除の対象となる「合計所得金額」の上限が見直される可能性があるため、申告を検討する際には最新の条件を税理士に確認しておくことをおすすめします。

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