年末調整を税理士に頼む費用|事務所の料金表16件で見る人数別の相場と頼む範囲

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従業員を雇って初めての年末が近い。去年は自分でやったが、控除の書類の確認に時間を取られた。税理士に頼むといくらかかるのか、どこまでやってもらえるのかを知りたい。この記事は、そういう事業主と経理の担当者に向けて、税理士事務所が自分のサイトで公開している料金表を16件調べ、人数別に計算し直したものです。

この記事の内容は2026年10月5日時点の情報です。

先に結論です。

  • 料金の決め方は、16件のうち12件が「基本料金+従業員1人あたりの料金」です。
  • 計算できた15件では、従業員5人で7,000円〜36,000円、10人で14,000円〜60,000円、20人で23,100円〜110,000円でした(税込・税抜は各事務所の表記のまま)。5人では15件のうち8件が2万〜3万円に入ります。
  • 金額の差は、法定調書合計表や給与支払報告書が含まれるかどうかで大きく変わります。見積もりは「年末調整の計算だけ」か「1月の提出物まで」かをそろえて比べてください。
  • 調べた16件はすべて、年末調整を月額の顧問料とは別の料金として載せていました。顧問契約があっても、別にかかるかを確かめておくと安心です。

年末調整で会社がやること(期限つき)

年末調整は、1年間に給与から源泉徴収した税額の合計と、その人が1年間に納めるべき税額との差を精算する手続です。対象は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出している人で、1年間の給与の総額が2,000万円を超える人は対象になりません。その年の最後に給与を支払うときに行います。

「年末調整」と呼ばれる仕事は、12月の計算だけでは終わりません。翌年1月の提出物までが一続きです。税理士の料金表も、この区切りごとに分かれていることがあります。

仕事 期限 出す先・渡す先
従業員から申告書と証明書を集め、税額を計算して精算する その年の最後の給与を支払うとき 従業員(還付または徴収)
源泉所得税を納める 給与を支払った月の翌月10日。納期の特例を受けている場合、7月〜12月分は翌年1月20日(休日や土曜に当たるときは休日明け) 国(税務署)
源泉徴収票を本人に渡す 翌年1月31日まで(年の途中で退職した人は、退職の日以後1か月以内) すべての受給者
法定調書合計表と、源泉徴収票・支払調書を出す 翌年1月31日まで 税務署
給与支払報告書を出す 翌年1月31日まで 従業員が翌年1月1日に住んでいる市区町村

納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満の事業者が、申請して受けられる制度です。

税理士事務所16件の料金表

税理士事務所が自分のサイトで公開している料金ページから、年末調整の料金を書き出しました。紹介サイトや比較サイトの「相場」は使っていません。金額と税込・税抜の別は、各事務所の表記のままです。

事務所(所在地) 年末調整の料金 法定調書・給与支払報告書などの扱い 税
星野典子税理士事務所(東京都文京区) 20,000円+従業員1名ごとに2,000円 「年末調整・法定調書作成/提出」として同じ項目 税別
中山隆太郎税理士事務所(横浜市中区) 30,000円(3名まで)+1名あたり3,000円 源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書の作成が同じ項目 税抜
伊藤雄一税理士事務所(東京都) 5人ごとに7,000円〜 法定調書合計表 7,000円〜 税抜
田中秀樹税理士事務所(千葉県袖ケ浦市) 1人当たり2,000円(同事務所の給与ソフトを入れている場合は1,000円) 法定調書作成 10,000円、支払調書 1枚1,000円、市町村提出 1市2,000円 税抜
河鍋公認会計士・税理士事務所(福岡県春日市) 20,000円、2名以降は1人2,500円 給与支払報告書は同じ項目。法定調書合計表 20,000円、支払調書 1枚1,500円 税抜
アイアンドエス税理士法人(仙台市青葉区) 1人3,000円(給与ソフトを使っている場合)、1人5,000円(使っていない場合) 法定調書合計表 10,000円、給与支払報告書の総括表 1自治体3,000円、支払調書 1通3,000円 税抜
畑山税理士事務所(大阪市住吉区) 基本料金20,000円(5名分)、6名から1人2,000円 記載なし 税抜
上野総合会計事務所(大阪市中央区) 30,000円(10人まで)、10人を超えると1人1,000円 「年末調整・法定調書」として同じ項目 税抜
仙台財務会計事務所・田中武司税理士事務所(仙台市青葉区) 9,900円+3,300円×人数 法定調書合計表 9,900円、給与支払報告書 1市町村5,500円 表記なし
岡崎正毅税理士事務所(札幌市中央区) 5,500円+880円×人数(毎月訪問の顧問契約のモデルケースの記載) 法定調書 8,800円 税込
近藤正臣税理士事務所(名古屋市東区) 20,000円(5名まで)。5名を超えると1人3,000円(給与明細を紙で出す場合)、2,500円(データで出す場合) 法定調書合計表 5,000円、支払調書 1枚1,500円、給与支払報告書の総括表 1か所1,500円 表記なし
K&P税理士法人(兵庫県尼崎市) 年末調整だけを頼む場合:1〜5名は8,800円+1人1,650円、6〜10名は11,000円+1人1,650円、11〜20名は13,200円+1人1,540円 記載なし 税込
K・Aパートナーズ税理士法人(熊本市南区) 16,500円〜(目安として従業員10名で2万円程度) 記載なし 表記なし
辻税理士事務所(大阪市中央区) 20,000円+従業員数×2,000円 法定調書合計表 5支払先以下10,000円 税抜
渋谷広志税理士事務所(東京都江東区) 基本料10,000円+1人につき5,000円〜 法定調書作成 基本料20,000円+支払調書1枚につき1,000円〜 税別
税理士・司法書士エミタス総合事務所(大分県別府市。医科・歯科・薬局向け) 基本料金11,000円+従業員1人あたり2,200円 法定調書・給与支払報告書・償却資産申告の作成料を含む 税込

16件のうち12件が「基本料金+人数」の形でした。残りは、人数だけで決まる形(田中秀樹税理士事務所、アイアンドエス税理士法人)、5人ごとの定額の形(伊藤雄一税理士事務所)、下限だけを示す形(K・Aパートナーズ税理士法人)です。

従業員5人・10人・20人で計算すると

上の料金表の式に、人数を当てはめて計算しました。計算の式が書かれていない1件を除く15件です。法定調書などが別の項目になっている事務所は、その分を含めていません。右の列で、何が含まれる金額かを確かめてください。

事務所 5人 10人 20人 この金額に含まれるもの
星野典子税理士事務所 30,000円 40,000円 60,000円 年末調整・法定調書
中山隆太郎税理士事務所 36,000円 51,000円 81,000円 年末調整・源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書
伊藤雄一税理士事務所 7,000円〜 14,000円〜 28,000円〜 年末調整
田中秀樹税理士事務所 10,000円 20,000円 40,000円 年末調整の計算
河鍋公認会計士・税理士事務所 30,000円 42,500円 67,500円 年末調整・給与支払報告書
アイアンドエス税理士法人(給与ソフトあり/なし) 15,000円/25,000円 30,000円/50,000円 60,000円/100,000円 年末調整
畑山税理士事務所 20,000円 30,000円 50,000円 年末調整の代行(内訳の記載なし)
上野総合会計事務所 30,000円 30,000円 40,000円 年末調整・法定調書
仙台財務会計事務所・田中武司税理士事務所 26,400円 42,900円 75,900円 年末調整
岡崎正毅税理士事務所(毎月訪問の顧問契約の場合) 9,900円 14,300円 23,100円 年末調整
近藤正臣税理士事務所(紙/データ) 20,000円 35,000円/32,500円 65,000円/57,500円 年末調整
K&P税理士法人(年末調整だけを頼む場合) 17,050円 27,500円 44,000円 年末調整(内訳の記載なし)
辻税理士事務所 30,000円 40,000円 60,000円 年末調整
渋谷広志税理士事務所 35,000円〜 60,000円〜 110,000円〜 年末調整
税理士・司法書士エミタス総合事務所 22,000円 33,000円 55,000円 年末調整・法定調書・給与支払報告書・償却資産申告

10人の場合は、15件のうち9件が30,000円〜42,900円でした(給与ソフトの有無などで2つの金額がある事務所は、左側の金額で数えています)。

同じ10人でも、含まれる範囲をそろえると見え方が変わります。たとえば辻税理士事務所は、年末調整40,000円に法定調書合計表10,000円(5支払先以下)を足すと50,000円です。上野総合会計事務所は、法定調書まで含めて30,000円です。金額だけを横に並べず、右の列を見て比べてください。

どこまで頼むか(範囲で料金が変わる)

料金表を読むと、追加の料金になりやすい項目が分かります。見積もりを頼むときは、下の表の項目ごとに「含まれるか、別料金か」を聞いてください。

項目 料金表での扱いの例
年末調整の計算(申告書の確認、税額の計算) どの事務所も料金の中心。基本料金+人数
源泉徴収票の作成 年末調整と同じ項目に書く事務所がある(中山隆太郎税理士事務所)。書いていない事務所は、含まれるかを確かめる
給与支払報告書(市区町村へ) 年末調整に含む事務所(河鍋、エミタス)と、市町村ごとに別料金の事務所(仙台財務会計事務所 1市町村5,500円、田中秀樹税理士事務所 1市2,000円、アイアンドエス税理士法人 1自治体3,000円)がある。従業員の住む市区町村が分かれているほど増える
法定調書合計表(税務署へ) 年末調整に含む事務所と、5,000円〜20,000円の別料金の事務所がある
報酬などの支払調書 1枚1,000円〜3,000円の別料金を載せている事務所が5件あった。外注先や士業への支払いが多い会社は枚数を数えておく
給与明細の渡し方 紙よりデータのほうが安い事務所(近藤正臣税理士事務所)、給与ソフトを使っていると安い事務所(アイアンドエス税理士法人、田中秀樹税理士事務所)がある
顧問契約の有無 年末調整だけの依頼を受けると明記している事務所がある(K&P税理士法人)。顧問先だけが対象かどうかは事務所による

給与を支払っている相手(青色事業専従者を含む)がいない個人事業主には、年末調整の対象になる人がいません。中山隆太郎税理士事務所の料金ページにも「個人事業主で従業員がいない場合は年末調整費用はかかりません」と書かれています。顧問料や決算料を含めた年間の総額は、税理士の顧問料の相場の記事で料金表17件を比べています。

税理士以外に頼む場合に確かめること

税理士法は、税務署などに出す書類の作成(税務書類の作成)を税理士の業務と定めています(第2条)。税理士・税理士法人でない者は、税理士業務を行えません(第52条)。年末調整に関わる書類のどこまでがこれに当たるかという個別の判断は、この記事では確かめられていません。社会保険労務士事務所や代行会社に頼む場合は、税務署と市区町村に出す書類を誰が作るのか(提携している税理士か、自社で作って出すのか)を、契約の前に確かめてください。

頼む時期と、月ごとの動き方

今回の16件の料金ページには、年末調整の受付の締め切り日や、遅い依頼の割増の記載は見当たりませんでした。締め切りは事務所に直接確かめる必要があります。法律上の期限から逆算すると、動き方は次のようになります。

時期 会社がやること
10月 頼む範囲を決めて、見積もりを取る。従業員の人数、従業員が住んでいる市区町村の数、支払調書の枚数を数えておく
11月 依頼先を決める。従業員に申告書を配り、保険料の控除証明書などを集め始める。年の途中で入社した人には、前の勤務先の源泉徴収票を出してもらう
12月 集めた書類と1年分の給与・賞与の資料を税理士に渡す。最後の給与(または賞与)で精算する
翌年1月 12月に支払った給与の源泉所得税を納める(原則1月10日、納期の特例は1月20日)。源泉徴収票を従業員に渡す。法定調書と給与支払報告書を1月31日までに出す

年の途中で入社した人が、前の勤務先に扶養控除等(異動)申告書を出していた場合は、前の勤務先の給与を含めて年末調整をします。前の勤務先の源泉徴収票で金額を確かめられないときは、年末調整ができません。書類がそろわない人が出やすいので、11月のうちに声をかけておくと安心です。

税理士に渡す書類のチェックリスト

確認 書類 だれが用意するか
□ 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 従業員が書く
□ 基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除、所得金額調整控除の申告書 従業員が書く
□ 保険料控除の申告書と、生命保険・地震保険などの控除証明書 従業員が書く・集める
□ 住宅借入金等特別控除の申告書と、借入金の年末残高等証明書(年末調整でこの控除を受ける人) 従業員が出す
□ 前の勤務先の源泉徴収票(年の途中で入社した人) 従業員が出す
□ 1年分の給与・賞与の明細または賃金台帳(未払いの給与も含む) 会社
□ 毎月の源泉所得税の納付の控え 会社
□ 年の途中で退職した人の一覧(退職日と、その年に支払った給与の額) 会社
□ 従業員のマイナンバー(税務署に出す源泉徴収票に書く) 会社が管理しているもの
□ 税理士・司法書士・外注先などへの報酬、家賃の支払いの一覧(支払調書を頼む場合) 会社

年末調整のあとに扶養親族の数が変わった場合は、会社がやり直すか、やり直さない場合は本人が確定申告をして還付を受けることができます。

令和8年分(2026年分)で確かめておくこと

  • 国税庁の「年末調整がよくわかるページ(令和8年分)」は、今年の注意点として、基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正、年齢23歳未満の扶養親族がいる場合の生命保険料控除の特例の創設を挙げています。金額や条件は、同じページのパンフレットで確かめてください。
  • 令和9年(2027年)1月1日以後に出す源泉徴収票から、市区町村に給与支払報告書を出せば、税務署にも源泉徴収票を出したものとみなされる特例が始まります。従業員に源泉徴収票を渡す義務は変わりません。
  • このため、料金表の「法定調書」「給与支払報告書」の内訳や金額が、今後変わる事務所があるかもしれません。見積もりのときに、今年の料金を確かめてください。

見積もりで聞く5つの質問

  1. この金額には、源泉徴収票・給与支払報告書・法定調書合計表・支払調書のどこまでが含まれますか。
  2. 従業員は◯人、住んでいる市区町村は◯か所、支払調書は◯枚です。総額はいくらですか。
  3. 書類はいつまでに、どの形(紙・データ・給与ソフト)で渡せばよいですか。
  4. 年末調整だけの依頼は受けていますか。顧問契約が必要ですか。
  5. 税務署と市区町村への提出(電子申告を含む)まで任せられますか。

年末調整をきっかけに顧問税理士を探す場合は、税理士の選び方の記事の8つの基準も参考にしてください。いまの税理士の料金や対応を見直したい場合は、税理士を変更する手順の記事に、伝え方の文例と引き継ぎの資料をまとめています。

条件を書いて、税理士から声がかかるのを待つ方法もあります

「税理士紹介をぶっ壊す」は、税理士を探す人が事務所のプロフィールを読んで自分で選び、直接問い合わせる場です。紹介会社ではありません。利用は無料で、紹介料や成約手数料はいただきません。

業種・地域・依頼内容(たとえば「従業員8人、年末調整と法定調書まで頼みたい、給与計算は自社」)を書いて相談を出すと、条件を見た税理士の側から声がかかります。メールアドレスや電話番号は、あなたが開示するまで税理士に伝わりません。比べて選ぶのはあなたです。

出典(確認日つき)

確認日はすべて2026年10月5日です。事務所の料金は、各事務所が自分のサイトで公開しているページによります。料金は変わることがあるので、依頼の前に各事務所のページで確かめてください。

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